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2009 年度 実績報告書

プロテオミクス解析を用いた川崎病患者における冠動脈内皮細胞抗原の同定と病型分類

研究課題

研究課題/領域番号 21659258
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

浜岡 建城  京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (60189602)

研究分担者 小澤 誠一郎  京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40405246)
問山 健太郎  京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00433285)
西田 眞佐志  京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (50275202)
加藤 竜一  京都府立医科大学, 医学部附属病院, 專攻医 (80398370)
キーワード川崎病 / 血管内皮抗原 / MALDI-TOF / バイオマーカー / プロテオミクス解析
研究概要

川崎病冠動脈炎ではその内皮障害に血清中の自己抗体が抗原抗体反応を介して主体的に関与するとの仮説の下、川崎病のヘテロな病像を患者血清の血管内皮抗原に対する反応パターンから理解しようとするものである。
一次元電気泳動では正常ヒト冠動脈内皮細胞からの蛋白粗抽出液をSDS-PAGEで一次展開した。SYPRO Ruby染色では分離明瞭なラダーパターンを示し、特にrhTNF α刺激を受けた細胞からの抽出液では無刺激条件下と比べ分子量(SDS-PAGE)2万~6万の領域での増多が示唆された。しかしながら6万以上の領域では検出されたバンドは少なく、また分離が不明瞭であった。
Native-PAGEでも同様の結果であったことから高分子蛋白あるいは多量体をターゲットとする解析ではdetergentやPAGEの泳動条件に再考を要すると思われた。患者血清を用いたウエスタンブロッティング法での蛋白検出では川崎病患者血清中には冠動脈内皮細胞成分と特異的に反応するIgG分画の蛋白が複数存在することが示された。それらは主に分子量2万~6万に位置するもので、いくつかはメジャーバンドとして確認された。川崎病患者群に特異的なバンドは一次元泳動では認められなかったが、血管性紫斑病患者血清にも同様のバンドが認められ、中動脈炎に共通に関与する分子群である可能性が示唆された。川崎病患者群間でも一次泳動パターンに違いがあった。家族歴のある症例および免疫グロブリン療法初回投与不応例で分子量5万の所に明瞭なバンドが認められるのに対し、de novo発症の典型例やコントロール例では認められなかった。またそのバンドは同一患者血清での急性期と回復期の比較でも定量的差異が認められた。以上から、川崎病患者血清中には抗冠動脈内皮細胞抗体と考えられる自己抗体が複数存在し、患者毎にそのプロファイルは異なるとともに同一患者でも経時的に変動することが明らかとなった。
今後、一次元泳動で得られた結果をもとに、二次元電気泳動を用いてペプチド解析を行うことで川崎病の病態に関する自己抗原が明らかとなる可能性が高いと考えられた。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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