研究課題/領域番号 |
21659259
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研究機関 | 独立行政法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
川北 敦夫 独立行政法人国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 共同研究員 (40338083)
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研究分担者 |
梅澤 明弘 国立成育医療センター(研究所), 生殖・細胞医療研究部, 部長 (70213486)
戸山 芳昭 慶應義塾大学, 医学部, 病院長(教授) (40129549)
加藤 達夫 国立成育医療センター(研究所), 総長 (50051826)
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キーワード | 再生医療 / 生分解性材料 / 細胞移植 |
研究概要 |
我々は細胞外マトリックスの代表的な細胞接着タンパクであるファイブロネクチンの持つコラーゲンへの高い結合性に注目し、骨形成タンパクのひとつであるBone morphogenic protein 4(BMP-4)にファイブロネクチンのコラーゲン結合領域を融合させたキメラタンパクを作製し、コラーゲン複合化合成高分子担体へ結合させることで培養担体の持つ利点を生かしたまま、成長因子の供給も行うことのできるインテリジェント再生足場材料の開発を行った。再生医療において細胞、培養担体および成長因子は組織再生のために必須である。このうち、培養担体は細胞が生着するための足場であるとともに、形態を維持するための骨格として重要な役割を担っている。我々はこれまでに骨髄中に存在する骨髄間質細胞の秘めた多分化能を明らかとし、生体吸収性材料である合成高分子に細胞親和性に富むコラーゲンを複合化した培養担体を用いて骨再生治療に対する組織工学的アプローチを行ってきた。この培養担体は高い細胞保持性を有し、かつ生体内における形状保持性を有している優れたものではあるが、細胞の分化・成熟に必要なもうひとつの要素である成長因子は、外来よりの添加に頼らざるを得ない。しかし、液性である成長因子を局所に留めることはできず、有効濃度を得るための大量投与はコストパーフォーマンスが悪いばかりか望まない効果を誘発する可能性がある。この成長因子をいかに効率的に局所にとどめて薬物送達システムとして機能させるための足場の開発は再生医療成功の鍵を握る重要な要素となる。
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