研究課題/領域番号 |
21659262
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田口 智章 九州大学, 医学研究院, 教授 (20197247)
|
研究分担者 |
家入 里志 九州大学, 大学病院, 助教 (00363359)
橋爪 誠 九州大学, 医学研究院, 教授 (90198664)
増本 幸二 福岡大学, 医学部, 准教授 (20343329)
|
キーワード | 胎児医学 / 胎児診断 / 胎児治療 / ナビゲーション |
研究概要 |
手術支援ロボットの胎児手術の応用の前段階として超精密低侵襲胎児治療の方法として開放型磁気共鳴画像診断装置(以下Open MRI)を用いた、リアルタイム画像誘導下での胎児内視鏡下治療システムを確立することと、理想的な子宮収縮を抑制する方法をin vitroでの平滑筋の機能面から検討することである。MRIは放射線被爆もなく。母体・胎児の双方に与える影響もきわめて少なく、現在は出生前診断方法のひとつとして使用されており、胎児および子宮に対する低侵襲性にも合致する。 この研究では以下の3つの点について研究を開始した。 (1) 胎児外科手術プロトコールの開発 胎児手術の対象疾患モデルの作成とその手術プロトコールを作成し。胎児のモニタリング体位を含めた固定法、手術操作の手順などを綿密に検討した。子宮内での操作を最小限に抑えるようなプロトコールを作成中である。 (2) 胎児治療の母体管理システムの開発 胎児手術の安全性をほぼ100%近い状態にもっていく必要がある。胎児手術の問題点として子宮収縮がおこりやすく、流産や早産率が高いことがあげられる。そこで動物の妊娠子宮をから分離した平滑筋条片を用いてCa-張力同時測定装置により、最も効果的な子宮収縮抑制効果をもたらす薬剤の組み合わせを検討し、研究を開始した。 (3) MRI画像誘導システムの開発 今年度は小児がんの横紋筋肉腫の患者さんで、骨盤腔内の遺残腫瘍をOpen MRIのリアルタイムデータに基づいてMRIガントリ内で画像誘導(ナビゲーション)により手術を行い遺残腫瘍を全摘することができた。骨盤腔では上腹部に比べて呼吸性移動が少ないので、母体の胎児手術を考えた場合同じ条件下でできることが確認され、またより優れた細径の道具の開発もチェックされた。
|