研究課題
患者血清が標的とするラミニン3量体を同定する為に、ヒト表皮ケラチノサイト培養液をサンプルとして、ウエスタンブロット法にて患者血清との反応性を検討した。まず培養液中にラミニン3量体が含まれている事を非還元下のウエスタンブロットで確認を行った。次に複数の患者血清を用いてウエスタンブロットを行ったが、複数の患者血清に共通のバンドは見出すことが出来なかった。恐らくサンプル内のラミニン3量体の含有量が少なかった事が問題であると考えられ、今後さらに条件を検討していく方針である。疾患モデル開発による自己免疫の直接証明として、前年に引き続きモデルマウス作製実験を行った。前年度はマウスラミニンγ1C末端107アミノ酸を含むリコンビナント蛋白を用い、実験を行ったが、水疱を形成する真の疾患モデルマウスを作製することはできなかった。本年度はこれに代わり、患者血清の大部分が反応する事が示されている、C末端245アミノ酸を含むリコンビナント蛋白を大腸菌より作製し、ウサギに免疫する事でポリクローナル抗体を得た。しかしこの血清を用いて、マウス皮膚凍結切片を基質として蛍光抗体間接法を行ったところ、患者血清とヒト皮膚を用いたときにみられる表皮基底膜へのIgGの結合が明らかには観察できなかった。何故、基底膜への反応がみられなかったのかについては十分な考察はできなかったが、以後の実験には不適と判断した。今後は実験方法を再考し、水疱を形成する真の疾患モデルマウスの作製、さらには疾患メカニズムの解明に取り組みたいと考える。
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