研究課題
本研究の目的は、膵島β細胞特異的な新規SPECT用分子イメージングプローブを開発し、膵島量を非侵襲的に測定できる画像診断法を構築することにある。膵島の定量化には、膵島特異的に集積し、非標的組織からは速やかに洗い出されることで高いコントラストを発生させるプローブが必要であることから、標的分子には膵島β細胞特異的に発現し、その発現が糖尿病の進行により増減しないことが求められる。そこで、標的分子には膵島β細胞膜特異的に発現する脂肪酸受容体GPR40および、7回膜貫通型Gタンパク質共役型受容体であるペプチド受容体GLP-1Rを選択した。GPR40をターゲットにしたプローブとして、母体化合物にGW1100(アンタゴニスト)、GW9508(アゴニスト)を選択し、I-123を導入したSPECT製剤の開発を計画した。これまでに、数種の放射性ヨウ素標識化合物を合成し評価を行ってきたが、未だ有望な化合物を見出すには到っていない。そこで今年度は、母体骨格の再探索を行い、新たな候補化合物である[^<125>I]ARKM-405の開発を行った。標識化まで終了しており、現在in vitro、in vivoでの評価を進めている。最終年度は、ARKM-405をリード化合物としてプローブの最適化を行う。GLP-1Rをターゲットにしたプローブとして、母体化合物にExendin-4を選択し、Tc-99mまたはIn-111を導入したSPECT製剤の開発を計画した。計算科学的手法を用いて二官能性キレート錯体を導入した化合物を設計し合成法を検討したところ、3種の誘導体の合成に成功した。最終年度は、in vitro、in vivoでの評価を進め、イメージングプローブとしての最適化を行う。
すべて 2011 2010
すべて 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)