研究課題/領域番号 |
21659289
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
|
研究分担者 |
天滿 敬 京都大学, 薬学研究科, 助教 (90378787)
豊田 健太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (00447971)
|
キーワード | 糖尿病 / 早期診断 / 分子イメージング / 画像診断 |
研究概要 |
本研究の目的は、膵島β細胞特異的な新規SPECT用分子イメージングプローブを開発し、膵島量を非侵襲的に測定できる画像診断法を構築することにある。膵島の定量化には、膵島特異的に集積し、非標的組織からは速やかに洗い出されることで高いコントラストを発生させるプローブが必要であることから、標的分子には膵島β細胞特異的に発現し、その発現が糖尿病の進行により増減しないことが求められる。そこで、標的分子には膵島β細胞膜特異的に発現する脂肪酸受容体GPR40および、7回膜貫通型Gタンパク質共役型受容体であるペプチド受容体GLP-1Rを選択した。GLP-1Rを標的としたプローブとしては、母体化合物にExendin-(9-39)、Exendin-4を選択し、In-111を導入したSPECT製剤の開発を実施した。計算科学的手法を用いて二官能性キレート錯体を導入した化合物を設計し合成法を検討したところ、4種の誘導体の合成に成功した。単離膵島を用いて親和性を評価したところ、[111In]K4-Ex4がIC50=0.75nMと高い親和性を示した。次に正常マウスを用いて体内分布を実施したところ、[111In]K4-Ex4が膵臓に高く集積した(20%dose/g)。さらに、GPR40をターゲットにしたプローブとして、1-123を導入したSPECT製剤の開発を実施した。これまでに、5種の放射性ヨウ素標識化合物の合成に成功した。そこで正常マウスを用いて体内分布を実施したところ、[125I]ARKM-405が膵臓への集積性を示した(2%dose/g)。以上、本研究で開発した[111In]K4-Ex4と[125I]ARKM-405が、膵島β細胞特異的な新規SPECT用分子イメージングプローブとして有望な候補化合物になり得ることが明らかとなった。
|