研究課題
研究成果(ラット肝細胞シートの作成)東京女子医大先端生命科学研究所(岡野光夫教授、夫橋一夫准教授)の技術指導のもと、温度応答性培地を用いたラット肝細胞シートの作成にまず着手した。Two step collagenase法により肝細胞を分離し、温度応答性培地上で培養、シート状に発育した同細胞を回収し、viableであることを確認した。(上記ラット肝細胞シートの至適生着部位の確認)上記ラット肝細胞シートが、生体内のどの部位で最も生着するかを確認した。DPPIV陽性ラットをドナー、DPPIV陰性ラットをレシピエントとした。前者より肝細胞を分離して温度応答性培地で培養し、シートを作成後、後者の皮下および腹腔内(大網、肝葉間、後腹膜上、陽間膜)の各部位へ貼付し、2日、7日、8週間後に犠牲死させ、発育状況を確認した。皮下組織では肝細胞は脱核・壊死傾向にあり、機能的肝組織の形成を認めなかった。一方、肝表面・大網では、好塩基性細胞質を保つ健常肝細胞による層状組織形成を認めた。これらの結果は、腹腔内部位は肝細胞の生着を支持しうる部位であることを示唆した。(肝障害モデルに対する肝細胞シートの治療効果)無アルブミンラットに肝障害性のある2-アセチルアミノフローレンを持続皮下投与し肝障害モデル作成、同ラットに30%肝部分切除を行い肝細胞増殖刺激を誘導した上で、SDラットより作成した肝細胞シートを大網および肝表面に移植した。移植群でアルブミンが産生される傾向は認めたものの結果が安定せず、治療効果の確認はできていない。(ラット線維芽細胞を用いた細胞シート作成)肝細胞シートと同様の方法で線維芽細胞を用いたシートの作成を試みた。シートの回収は可能であり、そのviabilityを現在確認中である。以上、3次的な肝組織構築の前段階として、2次元的な細胞シートの作成・治療効果の検討を継続中である。
すべて 2009
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