研究概要 |
肝胆膵領域の外科標本は消化管(胃・小腸・大腸)の切除術によって得られた標本とは異なり、標本を立体的に再構築し脈管や切除断端との立体的相互位置関係を把握することが重要である。特に膵臓癌や胆道癌、膵嚢胞性病変(IPMN,MCN)や胆管内乳頭状腺腫(IPN-B)などでは、3次元的な立体的病変把握と微細病変の検出は病態解明のため極めて重要である。本研究は、小動物用マイクロCTを使用して、肝臓・胆道や膵臓などの実質臓器を摘出後速やかに標本CT画像を撮像することで病変の立体的病変把握と微細病変の評価を行おうとするものである。当初はリース契約により小動物用CTを導入し本研究に使用する予定であったが、平成21年度に東北大学大学院医学系研究科の共同実験施設にアロカ社製実験動物用CT(ALOKAラシータLCT-200)が導入されたため、本研究はアロカ社製動物実験用CTを使用した。同機器の使用方法講習会を受講し使用許可を得た後、担当者と打ち合わせ、実験の概要を検討した。LCT-200を用いてラット胆管造影撮影の条件を決定し、そのデータをアロカ社に供与した。ラット胆管にウロラフィン造影剤を注入し撮像し、またラット肝臓を摘出し標本とした後に胆管にカニュレーションを施行しウログラフィンを注入、胆管樹が描出された。本データは今後臨床検体を用いる際に条件決定に使用される。
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