研究課題
「本研究の目的」第一に内視鏡に導入可能なレーザー衝撃波液体ジェットメスを試作し、食道粘膜下層剥離(endoscopic submucosal dissection:ESD)のためのパラメータと装置形状の最適化を摘出動物(ブタ)臓器を用いて明らかにすることである。第二に試作した装置を全身麻酔・内視鏡下に術中画像モニタリング下に使用し、食道粘膜下層における組織深達度を含めた切開特性、血管温存性を組織学的に検討し臨床応用に向けた知見を蓄積することである。「本年度研究実績」平成21年度に明らかにされたレーザーエネルギー、装置形状など流体生成に関するパラメータ、データを基に、消化管内視鏡に導入可能なカテーテルタイプのレーザー衝撃波液体ジェットメスを試作した。昨年度の検討で、臨床応用に向け、生成されるジェットの客観的な「つよさ(衝撃力)」に関するデータの必要性が示唆されたため、これまでの高速度撮影によるジェットの初速測定に加えて、フォースメータを用いた衝撃力の測定を行った。その結果、前年度最適化された条件(レーザー照射エネルギーを1.0-1.5J/pulse、周波数3Hz、ノズル径21G)は0.5-1.5 N/pulseの衝撃力に相当することが明らかとなった。ブタ動物モデルにおいてESDを行った結果、(1)既存の機器と比較して十分な剥離能力を有する、(2)周囲組織の損傷は生じない、(3)200μm程度の細血管は温存される、(4)視野を含めた操作性は良好であることが確認された。いずれも従来の内視鏡用のデバイス、あるいはウォータージェットデバイスの欠点を克服し得る知見であり今後臨床応用に向け、さらに開発を進める予定である。
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Shock Waves
巻: In press
JSMBE proc.
生体医工学
巻: 48(6) ページ: 626-627