研究課題/領域番号 |
21659316
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳衛 宏宣 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任准教授 (30212278)
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研究分担者 |
高橋 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70216753)
伊豫本 直子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40508173)
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キーワード | ガドリニウム化合物 / X線療法 / 電子線 / 中性子捕捉療法 / Drug delivery System / Cationic Liposome / Cationic Polymer / WOWエマルション |
研究概要 |
我々は、金属原子にX線を照射することにより発生する電子線を用いて直接癌細胞を障害させたり、あるいは生じた光粒子を用いて光線力学的治療(PDT)にて間接的に癌細胞を障害させることを考え、従来の放射線治療において用いられているX線量を軽減させた形で同当の効力を引き出す治療法を検討中である。また、我々が確立しつつある中性子捕捉療法との併用効果についても検討していく予定である。本年度は、昨年度に引き続き中性子捕捉療法において用いられるガドリニウムにX線を照射し生じる電子線による直接細胞障害効果をより効果的に引き出すために細胞にガドリニウムを送達させるキャリアーとしてCationic Liposome (COATSOME-EL)およびCationic Polymer(Polyethyleneimine : PEI)を用いて検討した。In vitroにおいてガドリニウム送達キャリアーを用いた場合、X線照射群において相加的な細胞障害効果を認めた。ガドリニウム化合物は日常の臨床においてMRIの増感剤として用いられているが、中性子捕捉療法への応用はまだ始まっていないのが現状である。我々は、シラス多孔質ガラスフィルター(SPG膜)を用いた膜乳化法にてWOWエマルションを作成し、50μm~100nmまでのサイジングおよび粒子径を均一にすることを可能とし、癌組織により近くエマルションを到達させ、癌栄養血管より肝臓癌細胞にエマルションを送達させることに成功した。今後、このWOWエマルションを用いてIn vivoにおける細胞内へのガドリニウム濃度の増加させた場合のX線照射後の癌細胞障害効果を検討する。
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