研究概要 |
本年度は、肝細胞癌を有する患者で肝切除あるいは肝移植を行う症例を対象とし、骨髄液および末梢血を採取し、骨髄への微小転移(disseminated tumor cells, DTCs)および血中遊離細胞(Circulating tumor cells, CTCs)の抽出と新規分子マーカーの探索を目的として研究を進めてきた。末梢血については、本年度施行した肝切除・肝移植症例全症例より、術前・術後に採取し、それぞれ抽出した血中mRNAを用い、定量的リアルタイムRT-PCRを用いてAFPmRNAを測定した。骨髄液については、本学医学系研究科・倫理委員会に本研究における検体採取の申請を本研究採択後に行い、2009年10月21日に承認された(承認No.09124、大阪大学自主臨床研究)。 これらの検体を用いて、まずdensity-gradient法およびCD45およびTerll9でnegativesortをかけ、CD45(-)Terll9(-)細胞の分離抽出を開始した。また、cancer stem cellのマーカーであるCD133や、肝stem cellのマーカーであるc-Met、c-Kit、CD49f、CD29などの陽性細胞率を測定した。 さらに、同一の研究について肝癌細胞株(HepG2、Huh7、PLC、MIHA、Hep3B、MHCC97Lなど)を用いて施行中である。
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