研究課題/領域番号 |
21659330
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
松宮 護郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20314312)
|
研究分担者 |
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00243220)
倉谷 徹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90448035)
上野 高義 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60437316)
坂口 太一 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (10467574)
白川 幸俊 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20457013)
|
キーワード | 筋芽細胞 / 脂肪細胞由来間葉系幹細胞 / サイトカイン療法 / 再生医療 / 心不全 / 心筋梗塞 |
研究概要 |
本研究において、脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた重症心不全に対する再生型治療法の基盤確立を目指している。すなわち、脂肪組織由来間葉系幹細胞の単離と分化に関する検討を行い、本研究申請者らが開発に携わってきた心筋シート作製の技術を用い、本申請者らが確立した自己骨格筋芽細胞移植を併用することにより脂肪組織由来体性幹細胞の心筋再生治療における有効性について明確にする。各研究者は、「脂肪組織、自己骨格筋芽細胞由来体性幹細胞を用いた心筋再生治療法の基盤確立」の実現に必要な研究を行った。 戦略として、脂肪組織由来間葉系幹細胞および自己骨格筋由来筋芽細胞を共培養し、培養皿上での検討を行った。サイトカイン産生能を評価するため、Real time PCR法およびELISA法を用いた検討の結果、両者を共培養することにより、従来の筋芽細胞が有するサイトカイン産生能を高めることが示唆された。 続いて、脂肪組織由来間葉系幹細胞および自己骨格筋由来筋芽細胞を共培養し、温度応答性培養皿を用いて作成した細胞シートを、あらかじめ作製したラット心筋梗塞モデル(左前下行枝結紮後2週間)に移植した。心臓超音波検査および心臓カテーテル検査を用いた心機能評価の結果、共通培養して作成した細胞シートを移植したモデルでは、各々の細胞シートを移植したモデルに比して、より優れた心機能の改善効果が得られ、心拡大の抑制効果が得られた。また、移植後、病理組織学的検討(HE染色、マッソントリクローム染色、PAS染色、von Willebrand Factor染色)の結果、線維化の軽減、細胞肥大の抑制、血管新生の増高が得られた。 Real time PCR及び免疫染色により、線維化、細胞肥大、血管新生に関与する転写因子、心筋細胞特有の転写因子、構造蛋白の発現を解析し、他の筋細胞特有の転写因子、もしくは構造蛋白を幅広く解析する。
|