研究概要 |
I)既に作成したヒトApoE遺伝子に対し 1)タウのリン酸化部位を脱リン酸化型としたhTAU40d(既に作成済み)と更に追加して 2)上記に加え141,307,324番目セリン、173番目スレオニンを更にアラニンに変換し、細胞死抑制効果の高いことが期待される新たなhTAU40d-2を作製した。 上記2遺伝子を、発現ベクターpSMRTac-3Nに組み込みE.Coli;10GF ELITEにtransformationを行った。 IPTGにによるタンパク質合成誘導しSoftagアガロース結合型抗体カラムにて蛋白精製を行った。 hTAU40dは既に作成済みであり蛋白作成は可能であったが、hTAU40d-2は蛋白発現、精製の効率が容易でなく時間を要していたが少量ずつ作成し培養神経系細胞に投与し神経細胞死の抑制実験を行っている。時点ではhTAU40d-2の方が神経細胞死抑制効果は高い傾向となっている。 II)本研究はTAT-配列をN-端側に融合させ脳室から髄液内に投与する事でその細胞内移行の効率化を図っているが、臨床の局面においては髄腔内投与には侵襲を伴う事から蛋白の脳内導入を効率よく行う方法の開発を同時に行った。Rat内頸動脈からの動脈内注入法を確立すべく ラット用カテーテルを作成し外頸動脈から内頸動脈へ導入し再現性よく蛋白の注入が出来る方法を開発、脳虚血状態の評価として脳血流量を再現性よくin vivoで測定を行うことを可能とするため経頭蓋赤外線ドップラー法を確立させた。 上記の成果からhTAU40d,hTAU40d-2を同程度の脳虚血状態下で動脈内注入を行い神経細胞死抑制実験を行う。
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