研究課題
1. FIF(FGF- 2- induced cells)で示差的に変化する遺伝子のDNAアレイによる解析:FIF細胞の運動機能改善作用を分子レベルで解明するため、FIF細胞と脊髄髄膜線維芽細胞(meninx- derived fibroblast : MDF)の発現遺伝子をDNAアレイで比較解析する計画であった。しかしFIF細胞の性質を調べてうちに新たに、FIF細胞は6代まで継代しても機能は変わらないが8代の継代で活性を喪失することが判明した。また、形態や増殖能には差はないので、両者を比較解析すれば機能に密接に関連する遺伝子が同定できると思われた。そこで継代6回の細胞と8回の細胞とでDNAアレイ解析を現在遂行中である。2. FIF様細胞の作成:RT-PCRにより継代6回と8回の細胞との間でN-カドヘリンの発現が著しく低下することを明らかにした。すなわちFIF細胞の機能に関わる遺伝子の一つとしてN-カドヘリンがさらに有力視されるに至った。そこで、N-カドヘリン遺伝子を組込んだ発現ベクターを構築し、これをヒト皮膚由来線維芽細胞に導入している。さらにこれをラット脊髄損傷部位へ移植する実験を試みているところである。その際、形質転換後のいつのタイミングが良いのかなど、様々な要因についても検討中である。
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