研究課題/領域番号 |
21659355
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
安井 夏生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00157984)
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研究分担者 |
二川 健 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20263824)
松浦 哲也 徳島大学, 病院, 講師 (30359913)
高橋 光彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10372715)
根本 尚夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30208293)
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キーワード | 筋萎縮 / ユビキチン / 重力 / 廃用性萎縮 / 合成ペプチド |
研究概要 |
マウスの坐骨神経を切除すると骨格筋の著しい萎縮をきたすことはよく知られた事実である。坐骨神経切除2週後には筋体積はもとの約60%にまで減少する。我々はこの筋萎縮にはユビキチンリガーゼであるCbl-bの過剰発現が伴っていること、またCbl-b欠損マウスでは坐骨神経切除を行ってもほとんど筋萎縮が発生しないこと、を報告してきた。その後の研究でCbl-bはIRS-1をユビキチン化することにより分解に導くことがわかり、IGF-1のシグナル伝達が阻止されることが筋萎縮の原因であることが明らかになった。 平成22年度にはCbl-bのdecoy inhibitorを複数作成し、坐骨神経切除マウスの筋細胞への投与実験を行った。このdecoyi inhibitorとはリン酸化されたチロシンを持つペンタペプチドであり、IRS-1のCbl-b結合部位と同じアミノ酸配列を持つ。Decoy inhibitorを筋肉内に過剰投与すると細胞内でCbl-bと結合し、IRS-1のユビキチン化を抑制することがわかった。このペンタペプチド(decoy inhibitor)を坐骨神経切除マウスの筋腹内に投与すると筋萎縮が90%抑制することもわかった。平成22年度にはペンタペプチドをCbl-bと結合させた状態で結晶化させることに成功し、立体構造を解析した。その結果、ペンタペプチドのリン酸化されたチロシンがCbl-bのIRS-1結合部位に突き刺さるように結合し、decoy inhibitorとしての役割を果たしていることが明らかとなった(未発表)。
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