研究概要 |
本年度は1.ヒト血管内皮細胞の培養、2.ヒトIL-8のsiRNAの配列設計と作成、3.siRNAのヒト血管内皮細胞への導入、4.リアルタイムPCRによる遺伝子レベルでのRNAi効果の確認ならびに 5.ゲル電気泳動ならびにELISAによるタンパクレベルでのRNAi効果の確認を行った。ただしヒトIL-1βのsiRNAについては、IL-8の作用を検討するに手一杯で、検討はできなかった。 1. ヒト血管内皮細胞の培養 市販の正常ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(human umbilical vein endothelial cells, HUVEC)ならびに専用の培養液を購入して使用した。 2. siRNAの配列設計と作成 ヒトIL-8の活性をノックダウンするためのsiRNA(ポジティブsiRNA)の配列を決め、合成を行った。この時、RNAi効果を持たないネガティブコントロール用のsiRNA(ネガティブsiRNA)も合成した。 3. siRNAのヒト血管内皮細胞への導入と細胞死への影響教室保有の遺伝子導入用電気穿孔装置Amaxaを使って、合成したヒトIL-8siRNAをHUVECに導入したる。方法は、元来は接着細胞であるHUVECをトリプシンで処理して浮遊細胞状態とた状態でsiRNAの電気穿孔法による導入を行った。細胞死への影響はMTTアッセイにて検討した。 4. リアルタイムPCRによる遺伝子レベルでのRNAi効果の確認 HUVECに導入したsiRNAがRNAi効果を発揮したか否かを遺伝子レベルで確認するため、ポジまたはネガのsiRNAを導入したHUVECをLPSで刺激した時のIL-8のmRNAの発現量の低下をリアルタイムPCR用いて確認した。 5. ゲル電気泳動ならびにELISAによるタンパクレベルでのRNAi効果の確認 HUVECに導入したsiRNAがRNAi効果を発揮したか否かをタンパクレベルで確認するため、ポジまたはネガのsiRNAを導入したHUVECをLPSで刺激し、IL-8の発現量の低下を、HUVECの細胞溶解液を試料として、ゲル電気泳動を行って確認した。一方で、IL-8の産生量の低下を、HUVECの培地(上澄)を試料として、IL-8測定用ELISAキットとマイクロプレートリーダーを用いて確認した。
|