研究課題/領域番号 |
21659366
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
中塚 秀輝 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70263580)
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研究分担者 |
横山 正尚 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (20158380)
森松 博史 岡山大学, 大学病院, 助教 (30379797)
清水 一好 岡山大学, 大学病院, 助教 (10444671)
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キーワード | 麻酔 / 術後鎮痛 / 長期予後 / 多施設研究 |
研究概要 |
岡山大学病院において2008年の周術期データベースを作成し、まず高度侵襲手術後におけるserious adverse events(SAEs)を調査した。SAEsは患者予後のうちでも病院内心停止の発生現象に有効であるとされ、その正確な把握は必要不可欠であると考えられた。(1)術前状態(ASA PS、重症合併症)、(2)手術内容(部位、時間)、(3)麻酔管理法、(4)鎮痛法などの因子をretrospectiveに検討した。 これまでの岡山大学病院における高度侵襲手術後のSAEsの解析結果としては、 1.ASA PSが高く、術前状態が良くない症例ほどSAEsの発生頻度は高く、また緊急手術においてはSAEsの発生率が高く、危険因子となりうる。 2.吸入麻酔と静脈麻酔、硬膜外麻酔の併用など麻酔方法は、SAEsの発生頻度とあまり関係ない。 3.術中の出血量、輸血量などはSAEsの発生と関係しているが、尿量は関連が認められなかった。 以上の結果から高度侵襲手術後にはSAEsが高率に発生することとともに、関連する因子としては手術の内容や術中の出血量、麻酔管理法の中でも術中輸液管理としてとして膠質液投与の有無や輸血量が示唆された。 他の施設においては、周術期データベース化に関する準備を行ったところであり、今後岡山大学病院と同様の検討を加えるとともに、術中麻酔管理法及び術後疼痛管理法の詳細な内容をを加えることで患者の予後を影響する因子をさらに抽出し、術中麻酔管理法および術後疼痛管理法が患者の長期予後に影響を検討する。
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