研究課題
挑戦的萌芽研究
非眼科手術後の視機能障害は稀であるが、解決すべき重大な合併症である。その発生率は特に、腹臥位での脊椎手術や心臓手術に多いとされる。腹臥位での脊椎手術では、腹臥位による眼圧上昇が危険因子の一つであることがわかってきた。そこで我々は、腹臥位での脊椎手術中において麻酔薬と眼圧変化の関連を調査した。その結果は、プロポフォール麻酔のほうがセボフルラン麻酔よりも眼圧上昇を抑制する傾向にあったが、統計学的に有意な差は認めなかった。また、心臓血管手術後の視機能障害に関する過去の報告は、後ろ向き研究のみであり今回我々は初めて前向きに心臓血管手術後の視機能障害について調査した。術前後に眼科医による精密眼検査(眼底検査、視野検査、視力検査、色覚検査、動眼検査、眼圧検査、臨界融合周波数検査)を行い、人工心肺を併用した心臓血管外科手術後の視機能障害の発生率を前向きに調査した。70症例のうち8症例(11.4%)で術後に新たな視機能障害を認めた。術後視機能を認めた8症例のうち1症例(1.4%)が症候性であり、7症例(10.0%)が無症候性であった。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (6件)
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