研究課題/領域番号 |
21659370
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
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研究分担者 |
秋野 裕信 福井大学, 医学部, 准教授 (90159335)
青木 芳隆 福井大学, 医学部, 助教 (30273006)
松田 陽介 福井大学, 医学部, 助教 (90345687)
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キーワード | メタボリック症候群 / 下部尿路症状 / 高血圧 / 高脂血症 / 耐糖能異常 / 肥満 / プロスタグランジン / 膀胱機能 |
研究概要 |
「メタボリック症候群を予防することでED・LUTSの発生を抑えることができるのか」が、本研究の目的である。本年度は高血圧、高脂血症、耐糖能異常を認めるラットを作成し、下部尿路機能をモニターしてメタボリック症候群との因果関係を解析した。雌雄性ラットにフルクトースを用いた長期飼育を行い、耐糖能異常、高脂血症、高血圧といったメタボリック症候群の因子の異常をチェックした。その結果、6ヶ月までは特に異常を認めないが、11ヶ月の時点で耐糖能異常と高血圧がみられた。しかし体重増加は僅かであり、高脂血症も軽度であった。このラットの膀胱機能をモニターすると、1日尿量の増加とともに排尿回数の増加も認められた。また、膀胱壁のCOX-2遺伝子の発現が亢進しており、尿中プロスタダランジン量も増加していた。この病態モデルには体重増加がなく高脂血症もみられないことより、メタボリック症候群の「病態モデル」と考えることには無理がある。そこで新たなメタボリック症候群のモデルとしてOLETF(Otsuka-Evans Tokushima Fatty)を採用し、現在飼育中である。排尿回数や1日尿量をモニターしている。 高血圧症のような生活習慣病は一度ドミノ倒しが進んだ後に進展を抑制するのはなかなか困難とされており、より上流の時点で発症を抑制するのが望ましいと考えられている。アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)を適切なタイミングで(すなわちcritical periodで)一時的に投与して高血圧を予防した時、その後膀胱あるいは尿道で生じる機能変化、遺伝子・蛋白レベルでの変化を解析している。結果は次年度報告予定である。
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