研究課題/領域番号 |
21659382
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
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研究分担者 |
伊東 宏晃 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (70263085)
杉原 一廣 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00265878)
鈴木 一有 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50456571)
幸村 康弘 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50332995)
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キーワード | 胎児モニタリング / 近赤外線 / 酸素飽和度 |
研究概要 |
母体腹壁からの照射した近赤外線は散乱光を発生する。その散乱光に含まれる胎児あるいは胎盤固有の酸素情報だけを抽出し、胎児の酸素情報を検出することが目的である。本年度は動物実験にて基礎研究を行った。ミニブタを麻酔下に開腹し子宮を切開し胎児の臍帯にオクルダーを装着した。腹壁上、子宮筋上、胎児直上、胎盤直上に近赤外線の検出プローベを置いた。子宮を縫合し閉腹し腹壁上から近赤外線を照射し各位置の酸素飽和度を測定した。あらかじめ装着しておいたオクルダーを徐々に閉鎖させ臍帯を圧迫する。児心拍が徐脈化した時の酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビンのピークの波高の変化を観察した。どの程度の散乱光が発生しているのか情報をフーリエ変換し胎児酸素情報の検出どの有無を検討した。得られた結果は1)胎盤の酸素飽和度は胎児の血液循環と密接に関連していることが判明した。すなわちオクルーダーにて臍帯を圧迫すると胎盤の酸素飽和度が上昇することが明らかになった。2)子宮筋上においた近赤外線検出器ではフーリエ変換後、母獣と胎児の酸素情報が区別できる症例が存在することが判明した。しかし母獣の脈拍が増加すると、母獣の胎児の酸素情報がオーバーラップし測定が困難になることが判明した。同様に胎児の心拍数の減少が起こると胎児の酸素情報と母獣の酸素情報がクロスオーバーすることがわかった。今後の検討課題として母児の心拍数が接近しても胎児・胎盤酸素情報が検出されるための条件設定が必要であることが考えられた。
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