研究課題/領域番号 |
21659415
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
橋本 悟 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (90167578)
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研究分担者 |
天谷 文昌 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (60347466)
橋本 壮志 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (60515279)
松山 広樹 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (80515289)
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キーワード | 急性肺障害 |
研究概要 |
肺組織におけるヒストン修飾酵素の発現と酵素活性 マウス肺を摘出しmRNAを精製、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)およびヒストンアセチル化酵素(HAT)の肺における発現をリアルタイムPCRによって定量した。その結果、HDACおよびHAT mRNAの発現が肺組織において存在することが確認できた。次に、免疫組織化学によって肺におけるヒストンアセチル化の状態を確認した。マウス肺をホルマリン固定し、凍結切片を作成、アセチル化ヒストン抗体を用い蛍光免疫組織化学によってアセチル化したヒストンを可視化した。アセチル化したヒストンはI型およびII型肺胞上皮ならびに肺胞マクロファージと思われる細胞において認められた。今後、肺の各細胞に特異的なマーカーとの二重染色を行うことでどの種類の細胞に存在するのかを同定したいと考える。 ヒストン修飾酵素阻害剤の肺障害に及ぼす影響 肺障害モデルとして、マウスに経気管的にリポポリサッカライド(LPS)を投与し、その後生じる肺損傷の程度を乾湿重量比、アルブミン漏出試験ならびに組織化学的手法で評価した。LPSの投与は乾湿重量比ならびにアルブミン漏出量を増加させ、組織化学的には肺胞間質組織への炎症細胞の浸潤が認められた。アセチル化ヒストン抗体による免疫組織化学では、浸潤炎症細胞とおもわれる細胞と一致してヒストンのアセチル化が認められた。今後、HDAC阻害剤トリコスタチンの抗炎症作用を明らかにするため、肺障害モデル作成と同時にトリコスタチンを経気管的に投与して、乾湿重量比およびアルブミン漏出量を定量、組織化学的に炎症反応を評価したい。
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