研究概要 |
本研究の目的は、細胞機能を可視化できる蛍光タンパク質プローブを組み込んだ遺伝子導入動物を用いて、3次元空間的および経時的なバイオ・イメージング(4次元蛍光イメージング)を行い、複雑な脳頭蓋および顎顔面頚部の発生・発達過程における細胞機能を可視化し、より統合的に可視化する方法を確立することである。 本研究代表者らけ、ゼブラ魚由来のCdt1とGemininの細胞周期依存的ユビキチン修飾配列を用いて、蛍光性細胞周期プローブを開発した。さらに、この蛍光プローブを全身に発現する形質転換ゼブラ魚を作製することに成功した。蛍光ライブイメージング法も確立し、脊椎動物の胚発生過程で細胞増殖と分化か協調しながら進行する様相を、初めて生きた動物で観察することに成功した。本研究代表者は、蛍光ライブーメージングによる胚発生過程の観察法の確立の部分で貢献した。この研究成果によって、胚の発生過程で生じる細胞の形態形成運動や分化過程が細胞周期の進行とどのように相関して調節されているのかを、より統合的に探ることが可能になった(Sugiyama M et al., Proc Natl Acad Sci USA.2009)。 今後は、このような観察技術をもとに、画像解析やシュミレーションによる定性的あるいは定量的なアッセイを進あることで、生物医学的に重要なメカニズムの理解を深めることが重要であると考えられた。
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