研究課題
骨リモデリングにおいて破骨細胞の骨吸収に対し骨芽細胞は損失した骨量補い、一定の骨量を維持することから、これらの細胞の間には巧妙なコミュニケーション機構の存在が以前から想定さている。本研究は、従来の網羅的ゲノムワイドスクリーニングに加え、分化マーカー発現細胞のビジュアル化と定量化を基盤とした網羅的な破骨・骨芽細胞機能アッセイシステムの構築から破骨細胞と骨芽細胞のカップリング分子を探索、さらに遺伝子改変マウス作出によりその機能を明らかにすることを目標にしている。本年度は、標的遺伝子KOマウスのin vivo解析から、骨量が顕著に減少している表現系を確認した。さらに、間葉系細胞の骨芽細胞への分化および機能低下と脂肪細胞への分化の促進が生体レベルで見出された。さらに興味深いことに破骨細胞分化が顕著に促進されていることが見出され、当標的遺伝子が骨芽細胞を活性化し、破骨細胞を抑制することで骨リモデリング過程を骨形成に移行させる因子である可能性を見出した。また、骨恒常性を制御する因子の探索から、破骨細胞分化因子RANKLの骨おける主要産生細胞が骨細胞であることを、骨細胞特異的な遺伝子欠損マウスを作成し成体レベルで明らかにし、科学論文にて報告した(Nat Med 2011)。現在、骨リモデリングを制御する分子で骨形成および骨破壊の両方に関与する分子は見出されておらず、本研究で明らかになりつつある骨構成細胞の細胞間コミュニケーション機構の解明は、今後の高齢化社会において益々増加している骨粗鬆症や骨折などの骨疾患治療を考える上でも重要な知見であると考えられる。
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