研究課題
本研究では、ナノバブルと超音波を用いた画像解析システムを開発し、「超悪性唾液腺腫瘍」の腫瘍血管新生を観察するとともに、ナノバブルと超音波を用いた遺伝子導入法と抗腫瘍遺伝子発現プラスミドDNAを用いて、腫瘍の増殖を抑制する新たな遺伝子治療法の開発を目指すことを目的とする。これまで我々は、ルシフェラーゼ発現腫瘍細胞が、マウス組織内でび慢性に浸潤し、細胞の接種部位によっては、腫瘍細胞がび慢性に高率に肝転移を起こすことがin vivo生体発光イメージングシステムにより確認できる実験腫瘍モデルを開発した。この腫瘍モデルを用い、転移病巣の超音波画像による診断法の開発を試みた。その結果、従来の臨床用超音波診断装置と超音波造影剤を用いた超音波画像では、腫瘍細胞がび慢性に浸潤し、一塊としての転移病巣を形成しない腫瘍の診断は困難であったが、高周波超音波と超音波造影剤を用いて取得した超音波画像を基に腫瘍血管密度を解析することにより、腫瘍塊を形成せず、び慢性に浸潤する高悪性腫瘍の転移病巣を早期に診断できる可能性が示された。平成23年度においては、TNF-α発現プラスミドDNAを作製し、ナノバブルと超音波を用いた分子導入法を用いて、ルシフェラーゼ発現腫瘍細胞を移植したマウス実験腫瘍にTNF-α発現プラスミドDNAを導入し、遺伝子治療実験を行った。その結果、腫瘍の縮小と腫瘍血管の密度の減少が、in vivo生体発光イメージングシステムおよびナノバブルと高周波超音波を用いたイメージングシステムにより確認できた。
すべて 2011
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Cancer Research
巻: 71 ページ: 6957-6964