1、ICAM-1およびMac-1の結合動態を生細胞で可視化する。 破骨細胞分化のin vitroモデルとして、RAW264.7細胞をRANKLで分化誘導する実験系を用いる。 RAW細胞にICAM-1-GFP融合タンパクを発現させ、その局在を調べたところ、RAW細胞の細胞膜上に発現しており、特に突起の部分にその発現量が高かった。また、同様に骨芽細胞にICAM-1-GFP融合タンパクを発現させたところ細胞膜上にその局在が認められた。最近、骨芽細胞と破骨細胞前駆細胞の共培養系で破骨細胞が骨芽細胞に接するところにICAM-1が局在することが報告された。我々はCD11bのC末にDs-Red(赤色蛍光タンパク)を融合させたタンパクを現在構築中であり、その局在を明らかにしたいと考えている。 2、ICAM-1/Mac-1の結合による細胞内シグナルの同定 破骨細胞への分化シグナルはRANK-RANKLと共刺激因子のFcRgおよびDAP12であると考えられている。これらのシグナルにICAM-1/Mac-1の結合はどのように関与する可能性があるのであろうか?Mac-1はICAM-1との結合でCa^<2+>の上昇やSykキナーゼの活性化が報告されている。この事から、ICAM-1/Mac-1の結合によるシグナルも十分に破骨細胞分化の共刺激因子の候補となるのではないかと考えた。現在、骨芽細胞と骨髄由来単核球の共培養系を用いて、Sykおよびリン酸化されたSykの局在を検討しているところである。 3、破骨細胞分化におけるFcRのサブタイプによる抑制的な役割も検討中である。
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