研究課題/領域番号 |
21659435
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
大関 悟 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80117077)
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研究分担者 |
清島 保 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (20264054)
福沢 秀昭 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (90465724)
橋本 憲一郎 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (00412619)
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / 炎症性サイトカイン / STAT / GPF / in vivo評価法 |
研究概要 |
癌組織では様々な遺伝子発現制御に異常が生じており、その異常は周囲組織からの影響によって更に修飾される。周囲組織からの情報を細胞内に伝える細胞膜受容体群で、それらの下流のシグナル伝達因子が転写制御因子として機能するものは、各種の遺伝子発現異常による癌形質の修飾との関わりも深く、その解明は癌の診断/治療を考える上でも大変興味深い。そこで、ヒト口腔扁平上皮癌における癌形質とサイトカインシグナル経路との関わりを、特にJAK-STAT系経路に着目して検索を行った。 サイトカインには、免疫細胞から上皮細胞への一方向性のシグナル伝達を行うという、他のILと比してユニークなIL-22を用いた。ヒト口腔扁平上皮癌由来細胞株をIL-22で刺激すると、一過性のSTAT3リン酸化(pTyr705)とリン酸化STAT3の核内移動を認めた。STAT下流因子である抗アポトーシス遺伝子の一過性の発現上昇を認め、STAT抑制因子SOCSの一過性発現上昇が続いた。このSOCS発現上昇に相反して、STAT3のリン酸化は減弱していった。また、IL-22による細胞増殖、扁平上皮分化マーカーの発現減少やMMPの発現上昇が確認された。このような扁平上皮癌におけるILによるサイトカインシグナル経路や形質変化が一部解析された。 これらを踏まえて次年度はサイトカインシグナル経路の追加検索、siRNA法等を用いてSTATと扁平上皮分化マーカーの発現との関係を明らかにし、これらのシグナル経路を加味した遺伝子発現機構を組み込んだベクターの導入実験を試みる。
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