研究概要 |
本研究では、口腔粘膜におけるエキソサイトーシスの役割、特に歯肉上皮細胞のエキソサイトーシスについてその詳細を明らかにするとともに、機能性ナノバイオカプセルを用いたエキソサイトーシス制御を基盤とした新しい歯周病予防、治療法の可能性について検討することを目的とする。本年度は、プロテオーム解析によるエキソサイトーシス関連因子の同定、同因子のエキソサイトーシス制御の可能性、に関して検討を行った。まず,我々はエキソサイトーシスおよびエンドサイトーシスの際に重要な低分子Gタンパク質の一種であるRab5に着目し、同タンパク質と結合するタンパク質を質量分析装置(LC-MS/MS)を用いて同定した。その結果、複数の細胞内タンパク質とGST^Rab5との結合が明らかになり、質量分析の結果、特定の分子を同定することができた。そこで、その中からVinculinを選定し、Rab5分子とともにHEK293細胞に遺伝子導入した。その結果、両分子は、同細胞内で今日局在することが確認された。次に、Vinculinの過剰発現系と欠失細胞系を作製し、その機能を解析した。その結果、同分子は細胞内への細菌等の取り込み(エンドサイトーシス)に関与していることが明らかになった。'今後、vinculinの細胞内輸送における役割を詳細に検討するとともに、今回同定されたその他の数種類の分子についてもエキソサイトーシス・遠藤サイトーシスにおける役割について検討していく予定である。
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