研究課題
本研究では、口腔粘膜におけるエキソサイトーシスの役割、特に歯肉上皮細胞のエキソサイトーシスについてその詳細を明らかにするとともに、機能性ナノバイオカプセルを用いたエキソサイトーシス制御を基盤とした新しい歯周病予防、治療法の可能性について検討することを目的とする。本年度は、昨年明らかになったRba5とICAM-1制御によるエキソサイトーシス制御の可能性を検討する。ついで、E-selectin制御による血管内皮のエキソサイトーシス制御の可能性も合わせて検討した。その結果、TNF-α刺激したCa9-22細胞培養系にP.gingivalisを感染させたところ、Rab5とともにICAM-1と同菌との共局在が細胞内で認めた。また、Rab-5とICAM-1が相互作用することが、western blot解析から明らかになった。また、Rab-5のknock-downおよびICAM-1中和抗体により、P.gingivalisの細胞内侵入が抑制されたことから、Rab5とICAM-1は、共同してP.gingivalisの歯肉上皮細胞への侵入に関与していることが示唆された。また、活性化血管内皮細胞におけるP.gingivalisの付着には、同細胞上に発現誘導されたE-selectinが関与すること、またE-selectinと同菌との相互作用を阻害することによって同細胞からのエキソサイトーシスが有意に抑制されることが明らかになった。P.gingivalisの上皮細胞への付着・侵入にRab5とICAM-1が重要であることが明らかになった。また、血管内皮細胞と同菌の相互作用によるエキソサイトーシスには、E-selectinが重要であることが明らかになった。これらの分子を標的とした細胞内輸送制御の可能性について、今後さらに検討していく予定である。
すべて 2012 2011 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (6件) 図書 (4件) 備考 (1件)
Shock
巻: 36 ページ: 494-500
DOI:10.1097/SHK.0b013e31822f7e58
Tissue Eng Part A
巻: 17 ページ: 1303-1311
DOI:10.1089/ten.tea.2010.0306
J Biol Chem
巻: 286 ページ: 8952-8960
DOI:10.1074/jbc.M110.152181
巻: 17 ページ: 1911-1920
10.1089/ten.tea.2010.0615
http://www.ncgg.go.jp/department/odr/publications/2011.html