研究課題/領域番号 |
21659449
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
宇尾 基弘 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20242042)
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研究分担者 |
赤坂 司 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00360917)
阿部 薫明 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40374566)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 複合材料 / 生体親和性 / ナノ材料 / 炭素繊維 |
研究概要 |
カーボンナノチューブ(CNTs)は直径=数~数十mmの単結晶に近い繊維状材料であり、格子欠陥が少ないことから材料の理論強度に近い機械的特性を有するため、構造材料としての応用も期待されている。本年度はCNTsの固化体や複合材料の作製と物性評価を行った。 (1)CNTs焼結体の検討と強度評価 CNTsは通常の焼結法では緻密化が不可能であるため、放電プラズマ焼結法(SPS)と呼ばれる加圧下で粉末に高周波電流を通電しながら焼結する方法により、緻密体の作製を行った。結晶性に優れたCNTsではSPSでも焼結が困難で、結合材の添加が必要であったが、直径が細く低結晶性のCNTsを用いることで固化体の作成が可能となった。得られた固化体の弾性係数は骨に近いものであり、CNTs固化体が骨代替材料に適用できる可能性が示唆された。 (2)BNナノチューブの複合材料への応用性評価 カーボン以外でナノチューブ構造を取る材質として窒化ホウ素(BN)があり、CNTsと同様に固化体の作製を試みたが、BNはその耐久性の高さ故、SPSでも単独では焼結困難であったが、チタン粉末と混合、SPS焼結することでBNナノチューブ/チタン複合体の形成が可能であった。得られた材料は目視では通常の金属チタンと変わらず、曲げ強度など機械的特性の向上は見られなかったが、これは主にBNの分散性の低さによる者で有り、BN/チタンの混合法による改善の余地があると考えられた。
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