研究課題/領域番号 |
21659457
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
中村 浩彰 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
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研究分担者 |
細矢 明宏 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (70350824)
雪田 聡 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (80401214)
二宮 禎 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (00360222)
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キーワード | 歯根膜細胞 / 歯周組織再生 / 組織幹細胞 / Side population / 骨芽細胞 / 石灰化 / FACS / マイクロアレイ |
研究概要 |
歯根膜細胞の歯周組織再生歯科医療への可能性について検討するために、組織幹細胞を多く含むといわれているSP(Side Population)細胞の存在とその骨芽細胞への分化能をin vitroで解析した。 ラット臼歯歯根からコラゲナーゼ処理により歯根膜細胞を分離し、SP細胞の存在をFACS(Fluorescence Activated Cell Sorter)を用いて検討したところ、歯根膜には、約1-2%のSP細胞が存在することが明らかとなった。歯根膜SP細胞の骨芽細胞への分化能を検討するために骨芽細胞誘導培地にて培養すると7日後でアルカリホスファターゼ陽性細胞となり、14日後にはアリザリンレッド陽性の石灰化基質形成が誘導された。MP(Main Ppopulation)細胞とSP細胞の発現プロファイルを、マイクロアレイにより解析し、SP細胞にはMDR1(membrane transporter multidrug resistance-associated protein 1)が強く発現していることがわかった。また、SP細胞はアルカリホスファターゼ、Osterix、オステオカルシン、骨シアロタンパク質などの骨芽細胞マーカーとともに、歯根膜細胞のマーカーであるペリオスチンの発現が高いことがわかった。さらに、培養することによりこれらの遺伝子群は上昇することが明らかとなった。一方、SP細胞の多分化能を検討したところ、脂肪細胞への分化誘導は認められたが、軟骨細胞分化はみられなかった。 本研究により、歯根膜には組織幹細胞を多く含むSP細胞が存在し、in vitroにおいて骨芽細胞様細胞に分化し、石灰化基質を形成することが明らかとなった。
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