研究課題/領域番号 |
21659470
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
朝比奈 泉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30221039)
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研究分担者 |
飛田 尚慶 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00336174)
大場 誠悟 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80363456)
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キーワード | GTR / 硬組織再生 / 軟組織再生 / 細胞組み込み / 組織工学 |
研究概要 |
歯槽骨のみならず口腔粘膜の再生に有用なGTR膜の開発を目指して、ゼラチンを応用した膜の開発を試みた。ゼラチンで薄膜を形成するために10%ゼラチン水溶液を加熱し、熱架橋を加えるとともに風乾し、厚さ1mm以内の薄膜を形成した。しかしながら、この膜は伸展性に乏しく、すぐに破断してしまった。また生理食塩水に浸漬することにより、一定の柔軟性は得られたものの、やはり容易に破断してしまい、GTR膜としでの応用は困難であると判断せざるをえなかった。一方、繊維芽細胞の担体としてのゼラチンはスポンジ状の形態とするため凍結乾燥を施すことによって作成した。ゼラチンはbFGFを吸着させるために酸性ゼラチン用い、グルタールアルデヒドで架橋した後、凍結乾燥を行い作成した。このゼラチンスポンジにbFGFを添加し、ラット頭蓋骨にon lay gfaftとして移植実験を行ったところ、スポンジは移植8週目まで形態を保っていたが、骨形成は認めなかったものの、繊維芽細胞の進入を認め、十分な基質を形成していた。また、頭頂部の反膚欠損は一部瘢痕があるものの上皮化しており、細胞を移植しなくても上皮の形成を誘導する可能性があることを見いだした。 一方、膜としての機能を持たせるためにPLLA-PGLA複合体での薄膜形成を試みた、各種混合比のPLLA-PGLAをクロロホルムに溶解し、風乾することによって薄膜を形成した。その結果、PLLA(80%)PGLA(20%)のものが熱可塑性に優れ、柔軟性を有することが分かった。顆粒状ハイドロキシアパタイトを代用骨として、この膜をGTR膜として用い、ラット頭蓋骨モデルへの移植実験を行い、現在、組織標本を作製中である。 当初。ゼラチン膜のみでGTR膜を作成する予定であったが、GTR膜として十に機能する物性が得られず、PLLA-PGLAを用いこれにゼラチンをコーティングすることによって機能化をはかることとした。
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