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2010 年度 実績報告書

口腔がんにおける重粒子線照射によるp53非依存アポトーシスのメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21659472
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

桐田 忠昭  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)

研究分担者 高橋 昭久  群馬大学, 先端科学研究指導者育成ユニット, 准教授 (60275336)
山川 延宏  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00526709)
キーワードp53 / アポトーシス / 重粒子線 / Caspase / 生存シグナル
研究概要

我々は、これまで変異型p53遺伝子を有するヒト歯肉扁平上皮癌細胞における高LET重粒子線(鉄線および炭素線)とX線の殺細胞効果及びアポトーシス誘導を調査し、重粒子線はたとえ変異型p53遺伝子を有するがん細胞においてもX線と比較して少ない線量で効率的にアポトーシスを誘導し感受性が高くなることを明らかにした。さらに、重粒子線によるアポトーシスはCaspase依存の経路を通っており、Caspase阻害剤を用いた実験によりCaspase8経路ではなくCaspase9経路を選択的に通りCaspase3を活性化しアポトーシスを誘導する可能性があることを明らかにし、炭素線を照射した細胞では、生存シグナルが抑制されることによりアポトーシスが誘導される可能性を考え、生存シグナルのメカニズムを明らかにするため、生存シグナルに関与するタンパク質をwestern blot法にて解析した。X線照射を行った細胞よりも、鉄線を照射した細胞でmTORおよびp70S6さらにCaspase9を抑制するAktが抑制され生存シグナルが抑制されるだけではなく、同時にアポトーシス経路を活性化することを明らかにした。
本年度は、さらに放射線照射によって、Akt-mTORシグナル系に関連するタンパク質量は照射2-3時間後をピークにいずれも減少していることを明らかにした。さらに、等線量(2Gy)照射において、X線よりも鉄線を照射した場合の方がAkt、リン酸化Akt、mTOR、rpS6、リン酸化rpS6、Survivinいずれも細胞内タンパク質量が効率的に減少していること、等生存線量(X線:7Gy、鉄線:2Gy)においてもX線よりも鉄線を照射した場合の方がAktが減少しており、それによりアポトーシスが促進されていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Downregulation of runt-related transcription factor 3 associated with poor prognosis of adenoid cystic and mucoepidermoid carcinomas of the salivary gland2011

    • 著者名/発表者名
      Tadaaki KIRITA
    • 雑誌名

      Japanese Cancer Association

      巻: 102(2) ページ: 492-497

    • 査読あり
  • [学会発表] 口腔扁平上皮がんにおける重粒子線照射による生存シグナルの抑制2010

    • 著者名/発表者名
      桐田忠昭
    • 学会等名
      第55回日本口腔外科学会
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2010-10-18

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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