研究課題/領域番号 |
21659483
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
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研究分担者 |
菅原 由美子 東北大学, 病院, 助教 (30235866)
斎藤 美紀子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90401760)
酒井 梓 東北大学, 病院, 医員 (90463778)
佐藤 恭子 東北大学, 病院, 医員 (80547266)
庄司 憲明 東北大学, 病院, 講師 (70250800)
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キーワード | 口腔粘膜疾患 / カンジダ菌種 / 口腔ケア / 培養検査 / 口腔カンジダ / 口腔扁平苔癬 / 頭頸部癌放射線治療患者 |
研究概要 |
本研究は、口腔粘膜疾患とカンジダ菌種(Candida speceis)関連について遺伝子レベルで解析することにより、難治性口腔粘膜疾患に対する新たな抗真菌療法を確立するとともに"口腔カンジダの制御による口腔ケア"という新規概念を提言、実証することを目的とした。 1.口腔扁平苔癬(OLP) OLP患者と健常者において口腔細菌叢では、CFU値に有意差が無かったが、Candida speciesの検出率は、OLP患者で有意に高かった。non-C.albicansは、OLP患者15例中4例から検出され、健常者からは検出されなかった。non-C.albicansとして、Candida glabrata,Candida fukuyamaensis,Candida parapsilosisが認められた。尚、C.glabrataは、non-C.albicansが検出されたOLP患者4名全員より検出された。また、Candida speciesのsequence解析により系統樹を作成した結果、検出されたnon-C.albicansのうちC.glabrataがC.albicansと他のnon-C.albicansとは、遺伝学的に遠いグループに属していた。 2.頭頸部癌放射線治療患者の口腔粘膜炎 カンジダ菌が検出された群(検出群)は13名(81.2%)、カンジダ菌が検出されなかった群(非検出群)は3名(18.8%)だった。Grade3以上の口腔粘膜炎がみられた患者は10名(62.5%)で、そのうち検出群は9名(90%)とGrade3以上の口腔粘膜炎においては検出群が有意に多かった。また、Grade3以上の口腔粘膜炎における治療内容との関係では、放射線治療のみの症例では全て検出群であり、口腔粘膜が広く照射野に含まれており、検出されたカンジダ菌種はCandida albicans以外のカンジダ菌、いわゆるnon-C.albicansが含まれていた。化学療法との併用では全て非検出群であった。放射線治療の休止があったのは2名(12.5%)でいずれも検出群であった。
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