研究課題
発達障害・学習障害の可能性のある看護学生についての全国調査のために、質問項目の作成を行った。中心となる質問項目は、2002年度に文部科学省が行った「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」の70項目を、一部大学生向けに修正して使用することになった。例えば「子ども⇒学生」「大人しく⇒静かに」などである。加えて、平成21年度に収集した、発達障害・学習障害のある看護学生の事例32例から読み取れる、それぞれの学生の特徴について新たな質問項目を追加することとした。事例を分析した結果、青年期に達している看護学生は、その成長過程の中で、自らの障害を隠そうとしたり、正当化しようとしたりするために、さまざまな対処行動を身につけていることが示唆された。例えば、学習上でつまずくと引きこもって連絡がとれなくなったり、自分の間違いを決して認めず教員や他学生を責めたり、などである。これらの対処行動を集約し、10問の質問項目を作成し、合わせて、どのような場面でもっとも指導が困難であったかを問う調査票を作成した。例えば、講義、技術演習、実習(コミュニケーション、援助実施)、研究などである。これらの調査票と別に、H22年度最終学年全般における指導困難学生の人数やそれらの学生の転帰、学生指導支援の有無、等を問うフェースシートとともに同封し、全国の看護師養成機関に郵送予定である。H23年度早々に名古屋大学医学部倫理審査委員会に申請することが決定している。