研究課題
前年度に行った、著しい学習困難・指導困難な看護学生の事例を踏まえ、全国の看護師養成課程(4年制大学、短期大学、専門学校)に実態調査を行った。対象とする学生は、H23年3月に卒業した学年の学生とした。調査票は2部構成で、1部は養成機関の属性、入学試験の面接の有無、個別学生サポート体制、著しい学習・指導困難学生の人数とその転帰から成る。さらに、この調査票において著しい学習・指導困難と判断した学生個々について、「通常の学級に在籍する特別な教育支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査(文部科学省、2002年)」に基づいて作成した質問紙に回答してもらった。828校中393校から返信があり(返信率47.5%)、そのうち341から有効回答が得られた(有効回答率41.2%)。有効回答校のうちわけは、大学46校、専門学校2年課程73校、専門学校3年課程194校、短期大学7校、不明17校であった。これらの養成機関では、ほとんどが入学試験に面接を取り入れ(83.8%)、担任やチューター制度など継続的な学生指導を行っていたが(88.6%)、スクールカウンセラーなどの個別支援システムがあるのはわずか(13.2%)であった。回答のあった機関に、H23年3月卒業予定として入学した学生14,325名のうち、著しく指導/学習が困難であった学生数は330名(2.3%)であり、そのうち、前述の文部科学省調査の基準に基づいた分類による該当者は146名(1.02%)であった。該当者のうち、もっとも多かった困難は「対人関係・こだわり」であり、続いて「聴く」「不注意」「話す」「読む」であった。もっとも支障のあった学業内容は実習での患者ケアであった。
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