研究概要 |
本研究は、看護基礎教育において医療安全、観察および危険認知の能力を育成するために、視線情報を客観化し、注視をおこなった自己の動作をポートフォリオ評価(ふり返り学習)に活用するための基礎研究をおこなうことを目的としている。平成21年度は、既に本学で導入済みであるアイマークレコーダEMR-9(株式会社ナックイメージテクノロジー,東京)から出力される視界ビデオ動画と視線位置の相対座標データから、疑似3次元静止画像および視線停留位置の絶対座標を求めるアプリケーションの開発に着手した。プログラム言語にはMicrosoft Visual C++を用い、画像処理の際に必要となるサブルーチンプログラムとして、Matrox Imaging Libraryを購入し、開発用コンピュータ上で使用している。EMR-9で保存されたアイマークカメラ動画を遅延無く取り込み、1コマずつ静止画として切り出し、画像を適正化し、メモリ上で連続的にマッピングする部分までは完成した。しかしながら、疑似3次元静止画像および視線停留位置の絶対座標を求めるまでには至って居らず、さらなるプログラミングを要することが明らかとなったため、現在新たな方法を模索中である。また画像の鮮明化と同時並行する形で、ポートフォリオ評価用のシステムも完成させることが出来ている。実際には過去の経験や体験の画像や動画を、単に閲覧するだけではなかなか教育効果も上がらないことが考えられたため、今後はより良い観察行動、視線の配り方、学生が陥り易い観察不足や見逃し部位などについて、統計的に処理した結果と併せて閲覧出来るような方法にすることを考えている。
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