研究課題
1. 非潰瘍性病変の炎症徴候評価におけるカットオフポイントの検討疼痛を伴う非潰瘍性病変を有する健常人8名を対象にサーモグラフィの撮影を行ったが、皮膚温の上昇は認められず、カットオフポイントの算出は困難であった。皮膚温の上昇を認める非潰瘍性病変は、糖尿病患者では観察されてきたが、健常人では見られないことから、糖尿病性神経障害等で炎症を知覚できず、進行した状態であることが予測された。2. 炎症を伴う胼胝の要因の検討非潰瘍性病変の中でも糖尿病患者において潰瘍に至る経路の一つとなる胼胝に着目し、炎症を伴う要因を検討した。足外来を受診した糖尿病患者136名を対象に胼胝と炎症(サーモグラフィにて創傷看護学の専門家が判定)、および要因(年齢、性別、血糖コントロール状態、神経障害、血管障害)を調査した。その結果、胼胝の保有率は38.8%であり、炎症を伴う胼胝は3.7%であった。胼胝の有無と関連があったのは、前足部圧力と足変形であり、炎症を伴う胼胝を有する糖尿病患者全員に神経障害の合併が見られた。以上より、神経障害により炎症の疼痛を自覚できず、胼胝が重症化していることが予測された。3. 靴と皮膚温の関係に関する検討足部をサーモグラフィにて評価するにあたり、靴と皮膚温との関係を予備的に検討した。健常女性10名を対象に、靴(運動靴とパンプス)を脱いだ後の皮膚温の変化を60分間サーモグラフィで撮影した。その結果、運動靴を履いていた場合には"変化なし""趾先から低下"が多かったが、パンプスでは"2・3・4趾上昇"が最も多く、次いで"1趾のみ上昇""1・5趾上昇"が多かった。トウボックスの圧迫が皮膚温に影響する可能性が示唆され、サーモグラフィにて炎症を評価する際に留意する必要あると考えられる。
すべて 2011
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J Plast Reconstr Aesthet Surg
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