研究課題/領域番号 |
21659513
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研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
田口 豊恵 明治国際医療大学, 看護学部, 教授 (20390164)
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研究分担者 |
中森 美季 明治国際医療大学, 看護学部, 助教 (30516951)
小山 恵美 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (80346121)
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キーワード | 周手術期 / 環境 / 高齢者 / せん妄予防 / サーカディアンリズム |
研究概要 |
平成21年度の本研究参加者は男性1名、女性11名の12名であった。実験群の平均年齢と標準偏差は88.8歳±10歳、対照群では84.6±6.1歳であった。対象は全て左右どちらかの大腿骨骨折の受傷によって手術療法を受けた患者である。対照群の1名が術後4日目の夜に活動型のせん妄を発症した。せん妄スケールを2群間で比較したところ、術前の深夜帯および術当日の日勤帯、術後1日目の日勤帯、術後2日目の日勤・準夜帯、術後3日目の日勤帯、術後4日目の深夜帯に実験群で有意に低かった(P<0.05)。血中セロトニン分泌量は、2群とも増加した(P=0.01)。各群、入院日と術後7日目で認知症の重症度を比較したが有意差はなかった。しかし、入院日の認知症の重症度は対照群に比べ、実験群で有意に高かった。また、術後7日目の認知症評価では、実験群で重度~中等度認知症が5名存在したのに対し、対照群は2名であった。実験群は、せん妄スケールで低得点を示したが、認知症の対象が多いためにせん妄評価への影響があると考えられ、評価スケールを精選する必要がある。また、血中ホルモン分泌量の変化にも大きな差異がなかったことより、今回行ったブライトケアの有効性は低い可能性が示唆された。しかし、過去2年間中、ブライトケア終了後にせん妄症状を呈した患者が数名いたため、平成22年度は、対象者の重症度を考慮し、術後約2週間のブライトケアを5名に実施し、結果は、現在、解析中である。
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