研究課題/領域番号 |
21659514
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
奥津 文子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (10314270)
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研究分担者 |
星野 明子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70282209)
江川 隆子 関西医療看護大学, 看護学部, 教授 (40193990)
横井 和美 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (80300226)
本田 可奈子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (60381919)
山田 豊子 京都市立看護短期大学, 看護学科, 教授 (40321054)
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キーワード | リンパ浮腫 / 圧迫衣 / 排液効果 / 着脱のしやすさ / 日本人の体形 |
研究概要 |
2009年度は、リンパ浮腫をもつ人々が圧迫衣着用に関してどのような点に困難を感じているのかを明らかにすること、さらには日本人の体形に合い、かつ着脱が容易な圧迫衣とはどのようなものであるかを検討することを目標に、研究に取り組んだ。 京都・兵庫・愛知の500床以上の病院に通院中のリンパ浮腫患者で質問紙に自力で答えることができる者のうち研究協力が得られた143名を対象に、自記式質問紙調査を実施したところ、リンパ浮腫をもつ人々は、圧迫衣について「着用しにくい」と感じている人が最も多く、さらに「着用時苦痛」「着用しても浮腫の改善が見られない」等の想いを持っていることが明らかになった。しかしこれらの負の感情は、専門家の援助によって軽減する可能性も示唆された。一方「費用がかかる」との訴えは少なく、圧迫衣に対し療養費が適応になったことの効果が感じられた。これらの結果は、日本看護・社会・政策学会 第9回学術大会およびthe Pacific Institute of Nursing Advancing Practice, Education, & Research Conferenceにおいて発表した。 さらにリンパ浮腫ケア専門施設であるドイツフェルディクリニックを見学、またイギリスで開催されたInternational Lymphoedema Fremeworkに参加し 情報収集を行った。 その結果、圧迫衣は皮膚表面に固い壁を作ることにより、筋肉ポンプを効果的に働かせ排液を図ることが目的であり、浮腫の部分を圧迫することが目的ではないことが明確になった。筒状の弾性衣であれば、装着のために最低限の弾力性を持たせざるを得ないが、このことが「装着しにくさ」と「効果の低さ」を生んでいると思われた。 リンパ浮腫ケアに圧迫は不可欠であり、セルフドレナージの中で最も重要なケアである。ストッキングやスリーブの形にとらわれず、装着しやすく排液効果の高い形を、グンゼ株式会社研究開発センターの協力を得ながら検討中である。
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