研究課題/領域番号 |
21659518
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
正木 紀代子 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30433238)
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研究分担者 |
岡山 久代 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90335050)
遠藤 義裕 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (40263040)
森川 茂廣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60220042)
二宮 早苗 滋賀医科大学, 医学部, 客員助手 (70582146)
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キーワード | 腹圧性尿失禁 / サポート下着 / 縦型オープンMR / 女性 / 骨盤底筋群 |
研究概要 |
[今年度の研究課題]サポート下着を着用し、歩行を組み合わせることによって骨盤底筋群の筋力が強化されるかを明らかにする。 [研究方法]対象者は、実験群:腹圧性尿失禁を有する30-50代の女性11名、対照群:腹圧性尿失禁を有さない30-50代の女性20名。サポート下着の着用に1日6000歩以上の歩行を組み合わせ、12週間継続し、その後、着用を中止し、1週間後の膀胱頚部位置と尿失禁症状、筋肉量を比較した。膀胱頚部位置の評価には、オープンMRを用いて座位安静時における骨盤内矢状断面を撮像し、恥骨下端と第2尾骨を結ぶ恥骨尾骨ラインから膀胱頚部までの垂線を計測し、その距離を評価した。尿失禁症状は、1週間の尿失禁回数、尿失禁の自覚症状とQOLを評価する国際尿失禁症状質問票(ICIQ-SF)を用いた。身体の筋肉量は生体インピーダンス法による体組成測定器を用いて評価した。 [結果]着用前と着用12週後の時点での比較において、実験群では膀胱頚部位置に有意な挙上を認め、1週間の尿失禁回数が有意に減少した。ICIQ-SF、筋肉量においては有意な差は認めなかった。対照群では膀胱頚部位置は有意に挙上したが、1週間の尿失禁回数、ICIQ-SF、筋肉量に有意な差は認めなかった。着用12週後と着用中止1週間後の時点の比較においては、両群とも膀胱頚部位置、1週間の尿失禁回数、ICIQ-SF、筋肉量に有意な差は認めなかった。 [結論]実験群において、着用と歩行を12週間継続することにより膀胱頚部位置は挙上し尿失禁症状の改善を認めたことから、サポート下着の長期着用は尿失禁に有用と考える。また、着用中止後も尿失禁の改善効果が持続したことから、骨盤底筋群が強化された可能性が示唆された。しかし、身体の筋肉量に変化を認めなかったことから、今後骨盤底筋群の強化に関する評価方法の再検討が必要であると考える。
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