妊娠前から育児期の継続的なよりよい母子支援のあり方を明らかにすることと、その方法論を模索することを目的として、助産師および保健師とグループディスカッションを実施し、妊娠前からの継続的母子支援の可能性の検証として、「妊娠‐出産‐育児を継続してイメージできる場がない」、「これまでの性教育の対象は高校生までであり、20代向けの健康教育はなく、また自分の身体への気づきとしての内容は不足している」ことが挙げられ、「妊娠から子育てまでの情報提供が必要である」、「妊娠直前または妊娠してからの健康教育では、身体づくりや心かまえが間に合わない」ということが導き出された。 この結果より、試験的なPre-conceptionプログラムとして、大学生男女向けの「妊娠・出産・子育てに向けて準備しよう」のテーマで、①妊娠・出産・子育てに向けてのイメージづくり、②妊娠・出産・子育てに向けての身体づくり、③自分のライフプランのイメージづくりを目標に、妊娠・出産・育児についてポジティブなイメージを持ち、妊娠に向けての身体づくりを心がけることができることに加え、リプロダクティブヘルス/ライツの観点から、妊娠・出産・育児につながるよう、自分の身体を自己管理し、責任を持つということを目指し、健康教育クラスを実施した。 クラス後の参加者インタビューでは、自分の「身体面」や「生活面」、「経済面」の気づき、また、「性感染症や妊娠について同級生やパートナーとは話をしない」、「看護学生でも知らないことがある」、「妊娠のために気を付けることがたくさんある」等のふり返りがされ、さらに、「大学内での開催だから参加しやすい」等のクラス評価がされた。
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