2年目の今年は計画どおり2つ目の目的として精神科患者の対応と現状について全国1507か所の身体科病院の管理者を対象に質問紙調査を実施した。質問項目には特定の精神科病院と患者受入れについての協力提携(契約)の有無や入院患者が精神症状を発症した際の対応の現状、精神疾患患者の外来受診の状況、精神疾患患者の入院治療(受入れ)の実態などについて詳細に把握し、今後の方向性と対策としては、現状の治療枠組み(治療完了までのプロセス)が円滑に機能していると考えるか、など精神科病院との連携についての在り方について把握した。同時に精神科入院患者や精神疾患患者の身体合併症医療の円滑な運営について管理者としての認識を自由記載で回答を求めた。 結果は現在分析中であるが、近年、精神疾患患者の利用率が増加していること、治療システムが存在する一部の自治体ではある程度の連携がとれているものの、多くの管理者が連携は不十分であると認識していることが分かった。分析結果の概要はまだ公表していないが、有益な成果を得たので順次、全国学会において発表する予定である。 本研究の重要性は実態を把握し身体科病院と精神科病院の機能的な連携を可能にする方策を多角的に検討することであり、従来の精神障害煮に対する偏った身体科治療処遇を改善し、人権に配慮した社会の形成、ひいては円滑な治療開始による医療費の削減など今後、車要性を増す研究と考えている。 次年度はこれまでの結果を踏まえ調査結果を詳細に検討し官民共同システムの理論的構築を試みる予定である。
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