研究概要 |
平成21年度は,様々なタスクを例としたダイナミックスキルの解析を行うとともに,アクチュエータや機構などのメカニズムの開発を行った.具体的には次の通りである. 1.指先回転機構を有するフィンガーを用いた操りの研究:指先旋回多指ハンドを用いた操り技能の研究を行った.特に,旋回指の接触角度を制御することで,指を対象から離さずに任意の位置姿勢制御手法を提案した. 2.触覚センサを用いた紙操り:触覚センサを用いた紙の滑り認識を実現した.また,この機能を用いることで,2つ折りした紙の角合わせタスクを実現した. 3.対象の運動情報に基づく多指ハンドのマスタ教示システムの研究:人間とは構造の異なる多指ハンドに対する教示の負担を減らすために,マスタシステムでは操作対象の位置姿勢のみを入力し,それに対して多指ハンドの指の運動を自動生成するようなマスタ教示システムを開発した. 4.柔軟対象の操りにおけるダイナミックスキル:柔軟物対象は操り作業の自動計画が難しく,また,操りの途中で変形が生じることもあるために操りの技能も困難なものとなる.この問題を解決するために,操作の高速性を活用した紐操り手法を提案した. 5.ジャグリングのダイナミックスキル:高速ハンドアームと高速ビジョンを用いたジャグリングの実現を目指して,ボールの投げ上げとそのボールの視覚認識の研究を行った.適切なタイミングで関節の運動を連動させることで,ボールの安定した投げ上げ運動が実現できた. 6.エアホッケーロボットシステムの研究:人間の動きに反応して戦略的に対応することが可能なエアホッケーロボットシステムを開発した.
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