研究概要 |
平成22年度は,前年度に引き続き、様々なタスクを例としたダイナミックスキルの解析を行うとともに,アクチュエータや機構などのメカニズムの開発を行った.具体的には次の通りである. 1.指先回転機構を有するフィンガーを用いた操りの研究:指先旋回多指ハンドを用いた操り技能の研究について研究を進めた。本年度は、指先回転と指の位置制御を合わせることで、任意の回転中心での回転制御手法を提案した。また、指先回転を利用することで、高速な紙のめくり制御手法を提案した。 2.対象の運動情報に基づく多指ハンドのマスタ教示システムの研究:人間とは構造の異なる多指ハンドに対する教示の負担を減らすために,マスタシステムでは操作対象の位置姿勢のみを入力し,それに対して多指ハンドの指の運動を自動生成するようなマスタ教示システムを開発した.本年度は、視覚フィードバック制御による補償手法について提案した。 3.柔軟対象の操りにおけるダイナミックスキル:柔軟物対象は操り作業の自動計画が難しく,また,操りの途中で変形が生じることもあるために操りの技能も困難なものとなる。この問題を解決するために,操作の高速性を活用した紐操り手法を提案した.本年度は、空中で紐を操るための基本手法について考案し、シミュレーションと実機によって検証をした。 4.ジャグリングのダイナミックスキル:前年度に引き続き、高速ハンドアームと高速ビジョンを用いたジャグリングの研究を行った。今年度は、キャッチからスローイングまでに、瞬時に適切な把持に持ち替えるリグラスピング機能を導入したことで、連続した複数回のボールジャグリングに成功した。
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