研究概要 |
平成25年度は, これまでの研究開発実績を統合し, アクチュエータや機構などのメカニズムの改良を行い, 人間を超える器用な操り能力を実現した。 1. 超多関節フィンガーを有する器用なロボットハンドによる操り制御 : これまでに開発した各指7自由度を持つロボットハンドと視覚・力覚センサユニットを組み合わせた操り制御システムを構築した。本年度は, 特に紙操りを対象とし, 紙の物理モデルと視触覚フィードバック制御に基づき, 紙折り動作を高精度で実現した。 2. 対象の運動情報に基づく多指ハンドの教示アルゴリズムの開発 : 操作対象の位置姿勢のみから多指ハンドの指の運動を自動生成するマスタ教示システムを開発した。教示軌道の生成手法として, 転がり接触と接触パラメータの拘束を考慮して, 対象軌道から関節軌道を生成するアルゴリズムを提案し, ロボットハンドにおける操り作業によって実証した。 3. ジャグリングのダイナミックスキル : 前年度に引き続き, ジャグリングタスクのダイナミックスキルについて研究を行った。今年度は, 道具を介したジャグリングの一例として, けん玉におけるキャッチング動作を実現した。道具を適切に操るために実時間での視触覚情報融合による把持物体位置検出アルゴリズムを提案した。また, 提案したアルゴリズムによりキャッチング動作が高精度で検出できるようになった。 4. 柔軟対象の操りにおけるダイナミックスキル : ハンドやアームの動作の高速性を活用することで, 紐と布の操り手法についての研究を行った。 5. 高速ハンドリングのための視覚フィードバックシステム : 前年度までに開発した高速視覚情報処理システムの研究を行った。本年度は特に, 3次元距離センサを統合することにより, マニピュレーション中のオクル―ジョンを回避するためのアルゴリズムの提案・実証実験を行った。 6. マスタ・スレーブロポットにおける操り制御 : 人間によって遠隔操作される多指ロボットアームの制御アルゴリズムの研究を行った。
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