研究概要 |
昆虫の筋細胞、筋組織を用いて、室温で動作する細胞そのものを用いたアクチュエータ及びマイクロ構造体を作製し、動作性能を評価した。また、昨年度に引き続き、昆虫の筋組織由来培養細胞株の樹立の試みを行い、筋細胞を健全な状態で効率よく得る条件検討を行った。昆虫の筋細胞の駆動力で動作する構造体を構築し、力学的・電気的・化学的・光刺激による細胞ビルドアップ型ウエットナノマイクロロボットの制御の基礎実験を行った。大気中で駆動する昆虫の筋細胞バイオアクチュエータの実証実験を行い、成功した。さらに、技術的課題であった細胞を配置する方法として、インクジェットを用いることにより、細胞をプリンティングする技術を確立した。これにより、細胞を数ミリメートル単位の集団で、ハンドリングが可能になり、マイクロ構造体へのアッセンブリがソフトマシン製造方法において可能になると考えられる。最終的に、筋細胞組織とMEMS構造体で構成されるマイクロナノロボットを設計試作した。本研究に関する研究成果として、MicroTAS国際会議、Lab on a chipへの投稿論文が採択され、ロンドンで行われたLivingMachines2013で発表したところ、Current Biology, Volume 23, Issue 18, R821-R823,23 September2013や英国王立化学会のchemistry worldで世界初の室温・空気中でのバイオアクチュエータ駆動に成功したことについて、特集記事として取り上げられ、注目を浴びた。
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