研究課題
本研究は、少数細胞(~1000)のエピゲノム状態をクロマチン免疫沈降-DNA chip法(ChIP-Chip法)及びChIP-Sequence法により定量する技術を開発し、転写制御因子Blimp1の作用機序を生殖細胞系列とB細胞系列をモデルに解明、細胞の運命決定・機能維持を可能とする遺伝学的・後成遺伝学的機序の統合的理解を目指す。平成21年度の研究では、少数細胞からのChIP法開発の材料として、タグ付きOct3/4ノックイン(KI)ES細胞を用いることを計画した。ES細胞におけるOct3/4の結合部位及び代表的なヒストン修飾については十分な知見が蓄積しており、10^7細胞をポジティブコントロールとし細胞数を段階的に減らした際にゲノムDNAプロファイルが保たれるChiPed DNA増幅法を確立する。Oct3/4-EGFP及びOct3/4-BirA(ビオチン付加酵素)KI-ES細胞、EGFP-Blimpl及びBirA-Blimpl KI-ES細胞を得ることに成功し、現在これらES細胞を用いたキメラマウスを作成中である。生殖系列コンディショナルジーンターゲティング系を用いて発生9.5~11.5日目の生殖系列機能維持におけるBlimp1の役割解明を計画し、Tamoxifen依存的に生殖細胞系列でのジーンターゲティングを誘導できるマウス[生殖系列特異的遺伝子stella/Pgc7のプロモーター下に、改変されたエストロゲン受容体(MER)とCre recombinaseを融合させたMER-Cre-MERを発現し、Tamoxifen依存的にMER-Cre-MERが核内に移行し、floxed regionをexcise outする:stella-MER-Cre-MERマウス]を樹立することに成功した。この系を用いて発生9.5日目以降のBlimplの機能を解析する計画である。
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http://www.med.kyoto-u.ac.jp/J/grad_school/introduction/1103/