研究概要 |
平成24年度までの研究で開発した10,000~100,000細胞からのChIIP・seq法を用いて、試験管内における始原生殖細胞様細胞(primordial germ cell-like cells : PGCLCs)誘導系における、ヒストン修飾(H3K4me3, H3K27ac, H3K27me3, H3K9me2)の変化とBLIMP1の結合部位の解析を行った。その結果、PGCLC形成過程の各段階における多数のエンハンサー配列の同定、Polycomb Complexにより抑制される標的遺伝子・ゲノム部位の同定、H3K9me2の消去過程、BLIMP1の結合とH3K27me3修飾付与関係の解明などに成功した。現在これら知見を総合し、PGC形成過程に随伴するクロマチン動態に関するモデルを提唱する論文を作成中である。 また生殖系列特異的遺伝子破壊を可能とするstella-MER-Cre-MERマウスを用いて、生殖系列の増殖・機能維持におけるBlimp1の機能の解析を遂行中(BLIMP1が後期PGCsの形質維持に必須であることを証明した)であるのと同時に、EGFP・Blimp1ホモノックインES細胞に由来するマウスを用いて、発生過程・成体における、Blimp発現細胞を網羅的に同定・記述し、その中で、形質細胞、小腸上皮、網膜などにおけるBLIMP1の結合部位の同定をChIP・seq法により行い、BLIMPIの作用機序を統合的に解析中である。
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