研究課題
本年度は、主に、以下の研究成果を得た。■メニーコア・プロセッサにおいては、極めて高い演算性能とメモリ性能の間の差(いわゆるメモリウォール問題)を解決するかが重要となる。そこで本年度は、メモリに格納されるデータの値にはある種の局所生が存在するという事実に基づき、今までにない全く新しいキャッシュ・メモリ・アーキテクチャを提案し、その有効性を明らかにした。本提案方式では、同一のデータ値を持つ異なるキャッシュラインを同一メモリ領域に格納する。すなわち、複数キャッシュラインが単一のメモリ領域を共有することで、実質的により多くのデータを格納することが可能となる。定量的評価を行った結果、従来方式と比較して35%の性能向上を実現できることが明らかになった。また、メニーコアにおいて複数コアをメモリ性能向上用途に使用することでトータル性能を改善するヘルパースレッド実行法を確立し、その有効性を明らかにした。■本研究で提案しているコア間の連携により、高性能化を実現するヘルパースレッド実行方式を確立した。具体的には、メニーコアにおいて、いくつかのコアはプログラムを実行するのではなく、メモリ性能向上のためのプリフェッチ・スレッドを実行する。これにより、メモリプレッシャの高いアプリケーションを実行した場合でもメニーコア性能を引き上げることができる。定量的評価を行った結果、最大で42%もの性能向上を達成できることを示した。■上記以外には、大規模スーパーコンピュータにおいて問題となる集団通信の効率化を目的とし、ネットワークの負荷バランスに関する解析や、メニーコアの1種として捉えることができるGPUを対象とした性能電力解析を実施した。■以上の成果に加え、これらの結果を国内外の会議にて発表した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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