平成23年度は新世代ネットワークのための通信品質制御機構に関する研究を行った。 「複数端末を用いて再生停止時間を削減するモバイル動画配信システムの実装と評価」 【研究の概要と成果】 モバイル動画配信システムにおいて重要となる再生停止時間を削減するために、複数端末を用いて遮断を検出した後に自動的に利用端末を切り替える方式を提案した。提案方式のプロトタイプ実装を開発し、性能評価することにより、再生停止時間削減が可能であることおよび再生停止時間に影響を与える要素を明らかにした。 「TFRC型ストリーミング通信のための送受信ノード拡張を用いた通信品質向上手法に関する研究」 【研究の概要と成果】 モバイル環境におけるTFRC型ストリーミング通信は、ハンドオーバ後に輻輳状態にあるアクセスポイントに接続すると重大な通信品質低下が生じ問題となる。この問題を解決するための送受信ノード拡張方式を提案した。提案方式は上り方向および下り方向通信に対応している。シミュレーションによる性能評価によりその性能を明らかにした。 「遅延公平性を提供するための周期的バッファ昇格によるパケットスケジューラPWBの提案と評価」 【研究の概要と成果】 オンラインゲームは通信遅延時間にシビアであり、遅延の小さなプレーヤーと大きなプレーヤー間の公平性が重要となる。そこで、遅延公平性を実現するパケットスケジューラPWBを構成し、数学的解析およびプロトタイプ実装を用いた評価により、その性能を明らかにした.
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